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No.30
「サテンの夜」ムーディーブルース
最近よく本を読むので目が少しずつ悪くなっているのがよくわかります。その本の中で、経=教=鏡 ということが書いてありました。また、人間と他の動物との一番の違いは、人間は自分を恥じることにより前へ進んでゆくとも書いてあり、大変感銘を受けました。つまり、自分の前に鏡を常に置くことにより、今の自分は本当にこれで良いのだろうかと、自問自答しなければならないということです。
音楽もまた同じで、人前で音楽家が演奏する時、自分が客席にいたら、この演奏に満足するだろうかと自分に問いかけてみなければなりません。人前で演奏することはとても恐ろしいことだということに気付くはずです。気付かない人は論外です。演奏技術のことを言っているのではありませんよ。
さて、この「サテンの夜」は一度生で聴いてみたい音楽です。あまりにも有名なので説明の必要はありませんが、私が中学生の頃この美しいジャケットにひかれて買ったものですが、オリジナル盤も現在のものもイラストのジャケットで、この美しいジャケットとは違います。今聴いてみても鏡に向き合いながら作ったアルバムだということがよくわかり、何十年経っても色あせることはありません。 |
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No.29
「月の光」ジャック・ルーシェ プレイズ・ドビュッシー
若い頃ジャズを聴きはじめたとき、オイゲン・キケロのようなクラシックをアレンジしたピアノトリオが聴きやすく時々聴いていましたが、いつしかウィントン・ケリーやガーランドのようにバップのアメリカンサウンドでなければジャズではない、と思うようになり、キケロのようなピアノトリオは聴かなくなりました。それから30年、どれも同じような歌い方いわゆるジャズは聴くことがなくなり、再びキケロやこのジャック・ルーシェを時々聴くようになりました。
ドビュッシーを多く語るほど聴きこんではいませんんが、「牧神の午後への前奏曲」この曲は私の知るかぎり、また私にとって、最高のクラシック音楽です。ギリシャ神話の牧神パンと女神ヴィーナスとの官能の情景を描いたもので、ひきずりこまれそうになるくらいすばらしいです。他に「月の光」「アラベスク」「亜麻色の髪の乙女」「夢」どの曲もこの世のものとは思えないくらいの美しさです。
ジャック・ルーシェはこのドビュッシーをすばらしいアレンジでジャズに仕上げています。ただこのアルバムを聴いたあとで本来のドビュッシーを聴くと、ジャック・ルーシェの方はもの足りなく感じます。でも、まったく別物として聴くとすばらしいジャズアルバムです。 |
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No.28
「ONLY LOVE」 SUMI JO
このコラムでオペラ歌手のスミ ジョーが出て来るとは以外だと思いますが、素晴らしいアルバムなので紹介します。彼女は、韓国のソウル出身のオペラ歌手で、メトロポリタン劇場をはじめ世界の主要歌劇場に出演し、カラヤン他、名指揮者で録音も多く残しているという、いわばエリートです。しかしこのアルバムはオペラとは違い、私にとっては非常にききやすいできあがりとなっています。曲はフランク・ワイルドホーンの作品やその他、ミュージカルナンバーばかりです。このアルバムを聴いていてびっくりしたのは、ジャズのスタンダードナンバーとしてもよく演奏されるJUST IN TIMEのアレンジです。なんとバッハのG線上のアリアにかぶせて歌うというもので、その素晴らしさには驚きました。その他にもジキルとハイド、ミス サイゴン等の中の曲も歌っていて美しいメロディとアレンジはつい何度も聴いてしまうほどです。ジャズでもポピュラーでもクラシックでもスポーツでも力が入ったものには私にとって良い作品はありません。とにかく気持ちを入れて力を抜く、そこの粋さがあり、芸術があると思っています。 |
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No.27
「歌の調べのように」水谷川優子
今月は、チェロの水谷川優子さんの作品です。ピアノとのデュオですが、チェロ又はヴァイオリンとピアノの作品集は数多くあります。そしてなぜか、曲も同じ選曲のものが多いようです。例えばこのアルバムの中でもラフマニノフの「ヴォカリーズ」、「白鳥」、「トロイメライ」等よく演奏されています。そう思ってこのアルバムを聴いてみたのですが、他のアルバムとは全然違っていました。あまりにも美しすぎるのです。今、毎日のように聴いています。私は数ある「アヴェ・マリア」の中でもカッチーニのものが一番好きなのですが、彼女の演奏の美しさにはどの演奏もかなわないと思えるほどです。そして、ジャズギタリスト、グラント・グリーンも演奏しているゴスペルの「誰も知らない私の悩み」は、この曲はこんなに美しい曲だったのか、と再認識させられました。更に「ちんちん千鳥」という近衛秀麿の曲を演奏していますが、聴けば聴くほど何度も聴きたくなるような美しさです。
今のJ-クラシックはジャンルを超えたものがあり、ジャズファンにもポピュラーファンにも受け入れられる音作りです。世界でもこのような音楽を聴かせてくれるのは、J-クラシックだけではないでしょうか? |
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No.26
「可愛いピーナッツ」THE PEANUTS
今月は、ザ・ピーナッツです。説明する必要のないシンガーです。私が子供の頃、TVで“シャボン玉ホリデー”という番組があり、よく見ていました。その時は歌の良さとかは全くわからず、ただのバラエティとしか思ってなかったのですが、今このザ・ピーナッツの歌を聴くとあまりにもすばらしいので驚いてします。特にこの10インチ盤では、ラテンを中心に独自の世界をくりひろげて彼女たちの持ち味を十分に発揮しています。
このアルバムの他にも私の好きな曲はたくさんあって「ジューンブライド」「ローマの雨」「大阪の女」「なんの気なしに」特に「レモンのキッス」は歌劇ジョコンダの「時の踊り」のアレンジでわくわくさせられます。
日本以外でもシスターズはたくさんありますが、たとえば、ダイニングシスターズ、キングシスターズ、パリスシスターズ、アンドリューシスターズ、ローリーシスターズ、etc.きりがありません。しかし、ザ・ピーナッツに匹敵するのは、ユダヤのバリーシスターズとこまどり姉妹ぐらいのものではないでしょうか。
ただ、今の若い人たちには、このすばらしさは理解できないかもしれませんね。私は曲の一つ一つに想い出があるので、よけいにすばらしく感じます。 |
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